前回までの記事
今回は入社初日の話。
職にあぶれることなく就職できた私は、初の仕事の日を迎える。
始業開始は9時半だったので9時に出社した。
「おはようございますー!」(シーン)
誰もいない。
初日からとても不安だ…。
始業前だからと自らを納得させるも、私の席がどれかも分からないので、エントランスで待つことにする。
すると、程なくしてMバラさんが現れた。
「おぅ、おっす、早いねぇ」
「初日なので早めに来ました…!」
「関心だね~」
挨拶も手短に席に案内されるが、その席は他のマネージャーの席だった。
まだ準備ができてないからその間だけ、とのこと。
「専用のデスクなぞ新人の小僧には早いわ」というわけではないらしい。
ひとまず荷物を置かせてもらうが、事務の人間以外誰も出社しておらず、何をしていいか分からない。
とりあえず事務の手伝いや、掃除をして過ごす。
そうこうしている内に、人が集まり始めた。
既に11時である。
始業時刻、間違えたかな???
私の席の主もようやく出社してきた。
明るい茶髪にパーマのチャラそうな人なんだが、
「どもーAライですぅ。よろしくねぇ♪」
チャラかった。
しかも直属の上司らしい。マジか。
私は席を明け渡し、空いてる椅子に腰かけた。
Aライさんはパソコンを起動しメールを書き始めた。
両手の人差し指で、ゆっくり、ポチ・ポチと。
ひょっとして、ギャグかな?
「ワタシ君ってさ~、パソコン得意?」
淡い期待は打ち砕かれた。マジか。
「えぇ、まぁ、それなりには…」
「っマジで?!代わりにやってよwww」
私の当分の仕事が決まった。
それから1ヶ月程、所属声優のスケジュール管理や、マネージャーに同伴しての挨拶周り、Aライさんのメール代打ち等の仕事をしていた。
スケジュール管理は既存の管理表を一新し、新たなものを作った。
そんなことをしていたら、何故かパソコンの腕()を買われ「サイト制作・運営の助手」とやらに抜擢されてしまった。
このことをキッカケに、Aライさんのパソコン係から解放される(ヤッター!)と同時に、マネージャー業からも遠ざかってしまう(ヤダー!)のだが、それはまた別のお話。
次回に続く